都会から田舎に移住して農業を始めたい。障害のある人も自然の中で働きたい。
そんなニーズを結びつけているのが「農福連携」という取り組みです。
今回はその現場を支えるキーパーソン、「農福連携コーディネーター」についてご紹介します。

農福連携コーディネーターとは?注目される背景と役割
✅そもそも農福連携とは何だとおもいますか?
「農業」と「福祉」を連携させることで、障害のある人や高齢者などが農業に関わりながら社会参加・就労を実現できる仕組みです。
例えば、障害福祉サービス事業所の利用者が地元農家で農作業を行うなどの形で実施されています。
✅農福連携コーディネーターの役割
🔸農家と福祉施設の橋渡し役
「人手が欲しい農家」と「働き先を求める福祉施設」をつなげ、現場見学や就労体験の調整を行います。
🔸両者への情報提供と助言
福祉側には農作業の内容を、農家側には障害特性への配慮点などを丁寧に伝え、互いの理解を促進します。
🔸関係機関とのネットワークづくり
自治体や社会福祉協議会、ハローワーク、NPOなどと連携し、持続可能な仕組みを築いていきます。
✅注目される背景
🔸農業現場の高齢化と人手不足
後継者がいない、繁忙期だけ人手が欲しい…そんな農家にとって、柔軟な労働力として福祉側との連携が注目されています。
🔸障害者の就労機会の拡大
一般企業での就職が難しい方でも、農業という「体を動かす仕事」が新たな選択肢となります。
🔸SDGs・地方創生との親和性
「誰ひとり取り残さない社会」「持続可能な農村づくり」といった視点からも、国や自治体が支援を進めています。
具体的な仕事内容と活躍できる場は?
✅仕事内容の例
🔸農家への福祉的配慮の説明
例えば「声かけの工夫」や「作業手順の分かりやすい指導」など、障害特性に応じた接し方を農家側に伝えます。
🔸就労希望者との面談やマッチング
障害のある方や支援対象者の希望・能力・体調に応じて、適切な農作業先を提案します。
🔸現場の同行・見学調整
作業のミスマッチを防ぐために、事前に現地見学や体験作業をセッティング。支援者として同行も行います。
🔸就労支援計画の作成とフォロー
いつ・どの作業を・どのように行うか、継続的に働けるように支援プランを設計し、定期的なモニタリングも実施
🔸トラブル対応や環境調整
急な体調不良や作業トラブル時には、農家と福祉施設の間に入りスムーズに解決を図ります。
✅活躍の場
🔸地方自治体(農政課・福祉課)
各地域で農福連携を推進する政策の中核を担うこともあり、事業計画や補助金の支援にも関わります。
🔸社会福祉協議会・NPO法人
障害福祉サービスと地域の農家の橋渡しを専門に行っており、地域密着で活動することが多いです。
🔸農業法人や地域支援センター
大規模農場では、社内にコーディネーターを置き、福祉就労を取り入れて生産性向上に活かすケースもあります。
🔸地域おこし協力隊や民間企業との連携
地域活性化を目的とした横断的なプロジェクトに参加することも。地方創生の現場で幅広い活躍が期待されます。
農業や福祉だけでなく、地域全体を元気にする仕掛け人として活躍したい方は、
「地域おこし協力隊」もぜひチェックしてみてください👇
「実際にはどんなことをしているの?」
そんな疑問をお持ちの方のために、仕事内容や支援のポイントを少し具体的にまとめてみました。
項目 | 補足案 | 意図 |
---|---|---|
仕事内容 | 例として「軽作業(種まき・収穫補助・袋詰めなど)を中心にマッチングされることが多い」など | 実際の現場イメージを補完できる |
農家側の声 | 「助かっている」「最初は不安だったけど今では戦力に」など実例風の一言 | 信頼性・リアリティの向上 |
具体的な支援例 | 「夏場の水分補給や休憩時間をしっかり確保するように農家と調整する」など | 福祉的視点がどう生かされているかの具体化 |
活躍の場の今後 | 「企業CSRとして農業×福祉に参入する動き」なども軽く触れるとトレンド感が出る | 将来性や拡大可能性の補足になる |
向いている人・求められるスキ
🧭 向いている人の特徴
-
✅ 人と人をつなぐのが得意な人
農家と福祉施設の間を取り持つ役割。コミュニケーション力が活きます。 -
✅ 現場で動くのが好きな人
農場や施設に足を運ぶ機会も多く、アクティブな仕事です。 -
✅ 地域に根ざして働きたい人
地域とのつながりが大切。地元に貢献したい人にぴったりです。 -
✅ 福祉や農業に関心がある人
専門的な知識がなくても、関心があれば一歩を踏み出せます。
💼 求められるスキル
-
🧠 基本的な福祉の知識
障害特性や支援の基本を理解していると安心されます。 -
🔁 調整力・柔軟性
天候や季節に左右されやすい農業の特性に対応できる柔軟さが必要です。 -
🤝 関係機関との連携力
自治体やNPOとの協働で、円滑な支援体制を築きます。 -
🗣 わかりやすく伝える力
専門用語を避け、農家にも伝わりやすい説明が求められます。
📘 資格や研修制度について
✅ 必須資格は特にない
農福連携コーディネーター」という国家資格や公的資格は存在しません。実務経験や適性が重視される傾向です。
📌 関連する研修や認定制度はある
たとえば、地域農福連携推進協議会が実施する「農福連携支援士」研修などがあります。受講により活動の幅が広がることも。
🧑🌾 福祉系・農業系の経験があると有利
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士などの資格や、農業法人での勤務経験などがあると現場で信頼を得やすくなります。
📗 農業と地域をおもしろくする実践書
農福連携に興味がある方にとっての具体的な取り組み事例や考え方が満載。
「農業×福祉」の可能性を地域づくりの観点から学べる一冊です。
※地域活性化・福祉・農業の現場に関心のある方に、ぜひ手に取っていただきたい本です。
📘 就労支援に関心のある方におすすめの図解書
制度や支援の流れを図解でわかりやすく解説した入門書です。
農福連携や障害者雇用の実務を学びたい方にも役立ちます。
※図解だからこそ理解が進みやすい。制度と実務の橋渡しに。
💰 収入の目安と雇用形態
💵 月給20万~30万円前後が目安
地域や所属団体によって差はありますが、福祉職や地域おこし関連職と同程度の水準です。
📋 多くは契約職員や地域雇用枠からスタート
NPOや自治体事業として雇用されることが多く、最初は年度ごとの契約になるケースが一般的です。
🧩 副業・複業としての関わり方も可能
本業を持ちながら、地域プロジェクトやボランティアとして関わる人も。フリーランス的な働き方も広がりつつあります。
📈 キャリアパスの可能性
🚀 地域づくりの専門職へとステップアップ
地域包括ケア、まちづくりファシリテーター、移住促進アドバイザーなど、幅広い地域職への転身も視野に入ります。
🧑⚕️ 福祉職や就労支援職への転向も可能
現場経験を生かして、相談支援専門員や福祉施設職員としてキャリアを築く人もいます。
🏡 農業法人や地域団体での幹部登用もあり得る
農福連携が軌道に乗れば、そのまま地域農業の中核メンバーとして継続的に関わるケースも。
✍️筆者あとがき
農業と福祉。まったく別の世界だと思っていた2つの分野が、
こんなにも自然につながり、人と人とを支える仕事になるなんて――
私自身、この職業の存在を知ったとき、ちょっと感動しました。
「働くこと」って、何かを生産することだけじゃなく、
誰かの役に立つことで自分も元気になれる、そんな循環があるんだと思います。
農福連携コーディネーターは、派手さはありませんが、
現場で人と人をつなぐ“仕掛け人”として、確かに社会を動かしています。
もし、農業や福祉のどちらかに関心があるなら、
その両方をつなぐこの仕事、選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
こうして社会のいろんな仕組みに触れていくと、
「こんな仕事もあるんだ!」って新しい発見がありますよね。
実は私も、災害支援コーディネーター や 放課後児童支援員 を調べたとき、
「もっと早く知ってたら選択肢になってたかも…」って思ったことがあります。
他にも 空き家活用アドバイザー や 認知症カフェコーディネーター など、
ちょっと意外だけど確かに社会を支えてる仕事”を紹介しているので、
気になる方はぜひのぞいてみてください。
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