ベッドや車いす、手すり――こうした道具があるだけで、日常生活がぐっと楽になる人がいます。
けれど、それを「どのように選ぶか」「どう使うか」を考える存在がいることは、あまり知られていません。
誰かの暮らしを支える“目に見えない力”。今回はそんな仕事をご紹介します。

🧑🦯福祉用具専門相談員とは?
高齢者や障害者の生活をサポートするために、福祉用具を選定・提案する専門職として「自立支援」や「介護負担軽減」のために必要とされている職業の一つです。
法律(介護保険制度)と連動している国家的な仕組みの中の仕事で重要な役割を担っており、
認知度は低いが、高齢社会において重要性が高まってます。
🧰どんな仕事をしているの?
(具体的な業務内容と活躍の場)
利用者の身体状況や住環境をヒアリング
福祉用具(歩行器・手すり・介護ベッドなど)の選定・提案
モニタリングとアフターフォロー(定期的な使用状況確認)
活躍する場:福祉用具貸与事業所、介護ショップ、病院、ケアマネとの連携など
🧑🤝🧑この仕事に向いている人はどんな人?
💰福祉用具専門相談員の収入・待遇は?
福祉用具専門相談員の年収は、おおよそ300万円〜400万円台が一般的とされています(地域や事業所による差あり)。
特に、福祉用具貸与事業所や医療法人に正社員として勤務する場合は、月給20万前後+各種手当や賞与が支給されるケースもあります。
パート勤務では、時給1,000円〜1,200円程度が多く、働き方によって収入差が出やすいのが特徴です。
また、営業職を兼ねる場合や、介護福祉士や福祉住環境コーディネーターなどの他資格を併せ持つことで収入アップが期待できる事業所もあります。
🔸1. 人と接するのが好きな人
利用者やその家族とじっくり会話することが大切です。
聞き上手であったり、相手の気持ちに寄り添える人には向いています。
🔸2. 相手の立場で考えられる人
「自分だったらどうしてほしいか」を想像できる人。
使う人の目線で、道具や生活環境を考える姿勢が大切です。
🔸3. 機械や道具に興味がある人
福祉用具にはさまざまな種類があります。
機械の仕組みや便利グッズが好きな人は楽しみながら学べるでしょう。
🔸4. 医療・介護・販売などの経験がある人
介護や医療の現場経験はもちろん、接客や営業経験も大きな武器になります。
福祉用具の説明や提案にも役立ちます。
🎓資格の取り方は?誰でも目指せる入口です
福祉用具専門相談員になるためには、「指定講習会の修了」が必要です。国家資格ではありませんが、介護保険制度の中でも重要な役割を担っている一つで配置が義務づけられている専門職とされています。
🔸講習の内容と期間
- 各都道府県や民間団体が実施
- 合計約50時間程度のカリキュラム(座学・実習あり)
- 講習修了で「福祉用具専門相談員」として認定されます
🔸受講資格
- 誰でも受講可能(年齢や学歴の制限はありません)
- 一部、介護福祉士や看護師などの有資格者は免除科目あり
🔸費用の目安
- 約2万〜5万円前後(地域や主催団体により異なります)各自治体や主催団体で確認してください。
🔸受講方法
- オンライン講座あり(実習は会場で行うこともあります)
- 地域の福祉関連団体や民間教育機関で随時開催されています
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🆚福祉住環境コーディネーターとの違いとは?
似ているけれど、役割と立ち位置が違います
「福祉用具専門相談員」と別の記事で説明をした「福祉住環境コーディネーター」は、どちらも高齢者や障がい者の生活を支える専門職ですが、その役割と立ち位置には明確な違いがあります。
ではどんなところが違うのかみていきましょう。
項目 | 福祉用具専門相談員 | 福祉住環境コーディネーター |
---|---|---|
主な役割 | 福祉用具(ベッド・車いす・手すりなど)の選定・提案 | 住宅改修(手すりの設置・段差解消など)のアドバイス |
活動領域 | 福祉用具貸与・販売事業所など | 建築・介護・福祉分野の横断的な連携を促進 |
資格の種類 | 介護保険制度で定められた「配置義務」のある資格 | 民間資格(東京商工会議所などが認定) |
主な活躍の場 | 介護ショップ、福祉用具専門店 | リフォーム会社、設計事務所、福祉施設など |
例えば、
福祉用具専門相談員が「ベッドを使うには部屋が狭すぎる」と気づけば、
福祉住環境コーディネーターが「間取りの変更や段差の解消」を提案する。
というように、“道具”と“住まい”の両面から支援する役割分担があるのです.
このことから、両者は連携してこそ、よりよい住環境や生活支援が実現すると言えます。
🤝やりがいと課題
「ありがとう」の言葉が何よりの報酬
福祉用具専門相談員は、直接人の生活を支える実感が得られる仕事です。
「手すりがついて安心してトイレに行けるようになった」
「ベッドが変わって夜ぐっすり眠れるようになった」
そんな声を聞くたびに、やりがいを感じられます。
やりがいを感じることができる一方でこんな課題もあります。
- 新しい制度や商品が変わると知識のアップデートが必要
- 利用者や家族との信頼関係構築に時間がかかる。
- 時に介護現場の深刻な状況に直面する(金銭面、家族間の複雑な諸事情、独居で身寄りがいない)こともあります。
それでも、十人十色で誰1人同じ環境ではないので「その人のためだけの提案」ができる点で、非常にクリエイティブな仕事でもあります。
📈今後の展望とキャリアパス
技術進化とともに広がる可能性
高齢化が進む中で、福祉用具の需要は今後ますます増加していきます。
さらに、ICTやIoTを活用した「見守り機器」や「自動歩行サポート」など、新たな分野も登場しており、相談員の知識もより高度なものが求められています。
キャリアの広がりも多様で、
- ケアマネジャーへのキャリアアップ
- 福祉住環境コーディネーターなど他資格との組み合わせ
- 独立して事業を行う人も
副業やセカンドキャリアとしても注目されています。
✏️まとめ:見えないところで暮らしを変える仕事
福祉用具専門相談員は、「道具」を通じて人の生活を支えるプロフェッショナルです。
福祉用具専門相談員は、ただ道具を選ぶだけの仕事ではありません。
その人の生活環境、身体状況、家族の思いなど、さまざまな背景をくみ取りながら、最適な道具を選び、その人らしい暮らしを実現するサポートを行う専門職です。
手すり一本、車いす一台が、
「ひとりで立てるようになった」
「夜中に安心してトイレに行けるようになった」
――そんな“当たり前”を取り戻す力になるのです。
資格は誰でもチャレンジ可能で、短期間で取得できます。
福祉や介護の現場で働いている方、これから福祉の仕事を目指したい方にとっても、キャリアの広がりや専門性を高めるきっかけになります。
社会の中で目立つ仕事ではありませんが、確かに人の人生を変えることができる。
そんな“縁の下の力持ち”に、あなたもなってみませんか?
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